V6って何者なんだろう

 

私が実際V6に会ったことはないけれど、初めて歌って踊っている姿を見た時の驚きは鮮明に覚えている。まるでジャニーズには興味がなくむしろ大嫌いだった私が雷に打たれた様にうけた衝撃。かっこいいとかじゃなくてただただ魅力的だった。ずっと見とれながら感じていた、時がひっくり返ったようなあの感覚はもはや一つの思い出。

それからというもの、私の生活はガラッと変わった。生きるのが確実に楽しくなった。お金をV6に使うために買い食いをやめてダイエット。貯金が楽しいなんて今後思うことはあるのかな。出来る範囲ではあったけどCDやDVDを買い、ひたすら見て聴いて楽しんだ。日々の中で辛いこともあった。悲しいことも生きてりゃたくさんあるよなあ、と高校生のガキなりに色んなことを経験して乗り越えた。乗り越えられたのは間違いなくV6がいたから。

何回私はHONEY BEATを聴いただろう。何回スピリットを、強くなれを、feel your breezeを、いろんな曲を聴いただろう。ありがたいことにV6は沢山の良曲ばかりなので、そのときの境遇に合わせて必ず曲がそばにいた。頑張りたいときも、肯定してほしい時も、失恋した時も、人間関係がうまくいかないときも、試験に失敗した時も、その時に合わせて必ず曲を聴いてた。

 

そして2021年3月12日。好きになった時と同じくらいの強さで衝撃を受けた。こんなことを書いておきながら私は全く受け止め切れていないし、辛いし、心の中で自分が駄々をこねまくっていてどうすればいいかわからない。深い深い悲しみを負いながらなんとか生きている。

 

 

ここまで一人の人間を熱中させることが出来る彼らって何者なんだろうか。しかもきっと私だけじゃない、何十万人いるのかわからない。なぜ彼らはかっこいいんだろう。そりゃ生まれた時の造形が美しいからでしょ、とかではなくて。どうして強くて魅力的なんだろう。

客観的に見て26年最前線でアイドルやるって有り得ないことじゃないですか?彼らがデビューする直前まで、アイドルが20代で引退なんて普通の事といえば普通の事。なのにV6は各時代のシーンに合わせて26年もアイドルをやった。どこの要素をとっても彼らの曲やパフォーマンスは最先端だった。

造形だってもともと美しかったけど、年々衰えるどころか美しくなっていた。目に見えない何かを沢山持っているような美しさな気がした。

それでも26年分の経験を持っていて、応援しているだけで参考や勉強になることが山ほどあった。

新しくて柔軟な、かつ考え込まれ作りこまれた作品ばかりだった。

 

でも、誰も解散を見抜くことはできなかった。永遠なんてないのに、多くの人を永遠に続くような気持ちにさせた。さすが生粋のエンターテイナーだ。もし全て虚像だったとしてもあっぱれな話だなあと私は思う。本当にV6って何者なんだろう。