永遠なんて無いのにね

確か25周年のとき、「V6は永遠なんだ」というキャッチコピーで撮影された雑誌があったと思う。
あの時V6はどういう気持ちで撮ってたのかな、と度々考える。

当時の私は永遠なんて…と正直苦笑しながら買ったけど、でも心のどこかで永遠を信じてた。というより永遠だと言われることに嬉しさを感じてたし、V6が活動し続けると当たり前に思ってた。


いつからグループの解散理由は不祥事や不仲だけだと思ってたんだろう。
これは私だけじゃなくて社会全体が。マスメディアでさえそうだったんだ。
25周年の時、どれだけの人から「V6は安泰だね」と言われたか。多分お祝いの言葉より多かった。安泰ってそもそも何が安泰なんだ、なんて今は思ってしまう。


私の人生計画にはいつもV6が入っていた。30周年のライブと留学の時期は重ねたくないとか、6月にはシングルが出るからそれまでに貯金をしようとか誰にも保証されてないのに勝手に考えてた。

発表されて、月日が経って、腹に落とし込んで、V-Land のお誘いが来た時やっぱり永遠だったんだって思ってしまった。そして期間を見て落胆してしまった。永遠なんて無いのにね。



こんなに永遠が無いと見せつけられてるのに、やっぱり今だってどこかで永遠を感じてしまっている。永遠を感じさせていたのは間違いなくV6だし、永遠じゃないとわかっていたのにあの取材を断らなかった彼らはプロだと改めて感じる。



彼らは偶像だし、永遠じゃない。メンバーは誰一人として私の存在を知らない。
そんなことはわかってる。ただのテレビの向こうの人に思いを馳せる必要もない。そんなこともわかってる。
自分でも理屈は理解出来るし周りの人に現実を見ろと何度も言われてきたけどそれでもV6を追いかけてしまう。

理屈じゃ片付けられないものだって沢山ある、というかあっていいじゃない。
他愛のない会話で笑ってるあの姿が、ファンからのサプライズで流した涙が、色々な手段を通して伝えられるメッセージが、全部偶像でもいいじゃない。

私の中であの笑顔や涙が本物であればいいよ。想いを毎日色んなところで受け取ってるってこれからも錯覚し続けるよ。
メンバーは誰一人として私の存在を知らないけど絶対に私のことを愛してくれてるんだ。

ただの知らないおじさんとただの知らない若者がアイドルとファンになったっていいじゃん。じゃなきゃ誰が好き好んでただのおじさんなんか追っかけるんだ。



永遠なんて無いけど、私の中で永遠があったっていいよね。